夜行バスで広島
広島の古家物件ツアーに参加するべく夜行バスに乗る。東京駅を1930に出て、広島につくのが早朝5時頃。広島の広域公園前で下車したのだが、降りてびっくり、「ここはどこ?」状態だった。広島市街につくものだとおもっていたのに、夜行バスが山口行きだったためその通り道の広島で降ろされたのだった。辺りは山と森林に囲まれた郊外。サンフレッチェ広島の本拠地が間近にあるらしい。しかし、自分の目指す場所はそこではない。早々に電車をみつけた。正確にいうとコンクリートの走行路をゴムタイヤで走るのアストラムライン。とりあえずアストラムラインにのって広島市街にむかう。今回の目的地は広域公園でもなければ広島でもない。山口県岩国市なのだ。

なんとか広島駅にきてスタバで時間をつぶす。それから山陽本線にのって岩国へ向かう。山陽本線からのみる瀬戸内海はとてもきれいだった。波がキラキラと光っている。穏やかな気持ちになる。
岩国駅についたはいいが、集合まで二時間ちかくある。長距離バスの疲れを取るべく近くのスパに行くことにした。
海に面した日の出公園にあるスパ・サンライズ。地図でみたら近くにかんじたがちょうどいい時間のバスがなく、駅からひたすら歩くことに。炎天下のもと歩く。汗だくになりながら、30分くらいして到着。温泉とサウナに入って、垢を落とす。海を見ながらの外気浴は、心が洗われる。
さっぱりしたところで、いざ古家物件ツアーへ!
古家物件ツアー


集合場所のコンビニ前にいくと、再生士と地元の投資プランナーがいた。地元の投資プランナーがいるといろいろ聞けるので、安堵する。これはあるあるだが広島ツアーとうたいつつ、広島市外の近くに空き家がでることはない。今回まわるエリアは岩国市と広島市安佐南区。岩国市は広島県ではなく山口県。土地勘がないのでピンとこないのだけれど、地元の人の反応をみていれば、どういったエリアなのかその特色を推しはかることができる。予想していたとおり市街から離れた郊外エリア。すごい坂の上をのぼっていくけど、家族が住むにはちょうどいいところらしい。

坂をのぼったところにある古家を見学した。猫を多頭飼いしていたようで、柱とふすまのいたるところに爪研ぎ傷がある。ペット飼うとこんなに荒れるのか。ちょっとショック。賃貸してる物件で、ペット可にしてるけどNGにしたほうがいいのかなとの思いがよぎる。いまさらだけど。古家ツアーのいいところは、いろんな家の痕跡をみれることだとおもう。
爪研ぎ傷のお家は、広島カープのポスターが残っていた。孤高の天才とよばれた前田智徳のポスター。熱烈なカープファンだったにちがいない。地元愛をかんじる光景だ。古びた家具や小物をみつけるのもたのしいんですよね。
味わい深い古家


さてこちらは広島市東区にある空き家だった。築年数はかなりたっている。百年は経っていないけど、ゆうに五十年はたっている。古さがめだつそのわりに傷んだ様子がなくとてもいい状態だった。前にすまわれていた方が丁寧に使っていたのだろう。再生士いわく、丁寧につかわれていた古家は入居も早いという。それは正しいとおもう。丁寧にすんでいた人のおもいは意外なところで伝わる。家のケアは大事だ。


台所の壁やお風呂のドアをみても、造作がとてもオシャレなのがわかる。こういった昔ながらつくりをのこしながら、リフォームすると素敵な仕上がりになる。おしゃれなところが残っているのはとても貴重だ。
参加者のなかでもこの物件がいちばんウケがよかった。
ただし素敵な物件だからといって、入居がうまくいくとは限らない。ここが考えどころだ。ある意味、投資プランナーの好みが別れるところでもある。
物件は魅力的だが、エリアを考えたときにピンとこない。川沿いの住宅地の奥まった一画に建っていて、駐車場もない。近くにショッピングモールもあるので、
自転車の生活でも不便はないが、ある程度入居者を限定することになる。どういう人が住むのだろう? と、そのイメージが湧かない。投資家として利回りを追うか、SDGs的に時間がかかったとしても入居してくれればいいとおもうか。投資と社会貢献をいったりきたりしながら、いつも迷うことになる。